ども、くろっくです。
今回は、「期待値」に関して少し応用させた話をしたいと思います。
とりあずは、問題を4つ用意してみました。
Ⓑ 10万を85%の確率でもらえる。ただし15%で0円。
ⒶⒷどちらを選ぶべきか?
Ⓓ 10億を85%の確率でもらえる。ただし15%で0円。
ⒸⒹどちらを選ぶべきか?
ここで「70%で1000万もらえる。ただし30%で1000万取られてゼロになる」という投機がある。
投機に参加すべきか?スルーすべきか?
ここで「95%で1000万もらえる。ただし5%で1000万取られて資産ゼロになる。」という投機がある。
投機に参加すべきか?スルーすべきか?
どうしてこのような問題を用意したのか?
状況によっては、期待値の大小だけでは判断するのはかえって悪手であるという場合もあるからです。
とりあえずは、簡単な問題1からどうぞ。
問題1
Ⓐ 8万を100%の確率でもらえる。
Ⓑ 10万を85%の確率でもらえる。ただし15%で0円。
ⒶⒷどちらを選ぶべきか?
これは単純にⒷが正解で良いですね。
Ⓐの期待値=8万に対し、Ⓑの期待値=8.5万だからです。
「そんなの当たり前だろ」と思うかもしれない。
けれど世の中には、Ⓑの「15%のゼロのリスク」を嫌って、Ⓐを選択したがる人も多いようです。(プロスペクト理論の影響)
まあ問題1の場合は、Ⓐ8万Ⓑ8.5万の期待値以外には何も変わった事はないのでⒷを選べば良いのです。
15%のゼロを引いたとしても、それをきっかけに人生の転落が始まるわけではありません。「少しイラッとする」というだけの話です。
仮に8万10万をゲットしたとしても、それで人生が大きく好転するわけではありません。
ところが次の問題2のように、出た結果が人生に大きな影響を与える場合があります。
問題2
本題はここからです。
Ⓒ 8億を100%の確率でもらえる。
Ⓓ 10億を85%の確率でもらえる。ただし15%で0円。
ⒸⒹどちらを選ぶべきか?
Ⓒの期待値は8億。Ⓓの期待値は8.5億。
期待値はⒹのほうが0.5億高いものの、金額が金額ですので単純な話ではありません。
まず、僕が思う正解から言います。
大半の人にとってはⒸが正解でしょう。
より厳密に言うと、その人の資産額によると思います。
・資産1億未満 = Ⓒが正解
・資産20億以上 = Ⓓが正解
・資産1~20億 = ⒸⒹどちらでも良い
大半の人は1億未満でしょうから、「大半の人にとってはⒸが正解」となります。
ちょっと待て!
ⒶⒷでⒷを選ぶならば、ⒸⒹでもⒹを選ぶべきではないのか?
Ⓒを選ぶなんて額の大きさにビビってるだけで合理的ではないのでは?
こう思う人もいるかもしれない。
たしかに期待値だけで考えればⒹが正解です。
しかし8億という金額は人生が大きく変わる金額なわけです。(これが8万では人生なんて変わりません)
だからⒸを選ぶほうが圧倒的に良いに決まっています。
期待値8億に加えて、100%の確率で人生が変わる
期待値8.5億に加えて、85%の確率で人生が変わる。ただし15%の確率で人生はそのまま。
.
上のように言い換えることが出来ます。
ここでは「ただし15%の確率で人生はそのまま」というリスクがあまりにも巨大すぎるわけですね。
そもそも「人生が変わる」とは、単に8億を手にしたから人生が変わるという訳ではありません。
8億を手にすることで、次回以降から大きな期待値を積む機会が増えるはずです。
資本主義というのは富が富を生む構造ですので。
不労所得生活が確定するのも大きいです。
投資に無知だとしてもWealthNaviなどに預ければ年利1~3%相当の期待値が見込めるはずだし。
年利1%でも800万。2%なら1600万ですからね。
あとは選択肢が広がったり、
やらなくて良いことをやらずに済んだりと・・・
どう人生が変わるか?を挙げていけばキリがない。
一つ言えるのは、「8億を手にすることによって人生が変わる効果」というのは「8億単体以上の価値があっても不思議ではない」ってこと。
だから、たとえ期待値が5000万安いとしてもⒸを選ぶべきなのです。
「ただし15%の確率で人生はそのまま」というリスクが大きすぎる、と判断してるだけであってⒸを選ぶのは至って正しいです。
決して「プロスペクト理論でビビって不合理になってる」というわけでは無いです。
ただし資産20億以上あるのならば。
この場合はⒹを選ぶのが正解でしょう。
.
期待値8億。人生は特に変わらない。
期待値8.5億。「85%10億」だろうと「15%ゼロ」だろうと人生は特に変わらない。.
.
8億だろうと10億だろうとゼロだろうと人生に何も影響はないです。
なので期待値だけを見て選択するのが合理的です。
問題3
ここからは少し変形させてみます。
現在の資産は1000万。
ここで「70%で1000万もらえる。ただし30%で1000万取られてゼロになる」という投機がある。
投機に参加すべきか?スルーすべきか?
期待値だけを見れば+400万。
しかし30%で資産ゼロになってしまいます。
これはスルーすべきが正解だと思います。
なぜならば、資産がゼロになるリスクがあるからです。
資産がゼロだと様々な弊害が出てきます。
良い投機があっても参加できないので機会損失を被ります。
当分の間は生活レベルを落とさざるを得ないので、その間は不快な思いをするでしょう。
とにかく資金バッファが無いので、ありとあらゆる選択に制限がかかります。
最低限の資金がなければ信用もされません。
資産ゼロになってしまったことが原因で、犯罪に走ったり、自殺に展開する可能性もあるでしょう。
(ただし、数百万くらいすぐに誰かから借りれるような状況にあるのならば資金ゼロもそれほどのリスクではない。)
つまり「1000万→0」になるってことは、実質的に△5000万以上のマイナスであるといっても過言じゃないわけです。
表面だけ見れば△1000万のマイナスに過ぎませんよ。
しかし、ゼロになることで発生する様々な悪循環が大きすぎるわけですね。(うち数%は自殺にまで発展しますから)
=70%で1000万もらえる。ただし30%の確率で1000万取られて資産ゼロになる。
.
もしも「1000→0」になることが△5000万のマイナスと仮定します。
すると、参加した時の期待値は△800万になってしまいます。
こうなると、やらずに見送るほうがむしろプラスというものです。
問題4
では、リスクの目がさらに狭くなったらどうか?
現在の資産は1000万。
ここで「95%で1000万もらえる。ただし5%で1000万取られてゼロになる」という投機がある。
投機に参加すべきか?スルーすべきか?
「1000→0」の価値が△5000万と仮定しても、期待値+700万です。
大きく見積もり△1億と仮定しても、期待値+450万です。
けれども、もしも5%を引けば資産はゼロ。
これは難しい。
参加かスルーか分かれそうですね。
僕の答えとしては、「スルーすべき」です。
理屈で考えたら「参加すべき」で良いはずなのに、本能が「スルーすべき」と信号を出してるんですよね。
どう見てもオイシイ投機のはずな。
なのに、なぜ右脳は拒否反応を示しているのか?
これって、「そもそも何のために金を稼ぐのか?」という話なんですよね。
金を稼ぐ目的というのは、人生を幸福に生きるためのはずであって。
→手段の1つが「お金を稼ぐ」
→手段の1つが「期待値を積む」
→手段の1つが「スロットを打つ」
.
「1000万→ゼロ」になってしまうと、目的最上位の「幸福」が著しく侵害されます。
前述したように、資産ゼロというのは生きていく上で様々な弊害が発生するからです。
しかし「1000万→2000万」になったところで、目的最上位の「幸福感」はそれほど変わらないはずです。
だから「資産ゼロ(5%)のリスクを冒して1000万(95%)のリターンを拾いに行く。これって実は割に合わないのでは?」と感じるのかもしれません。
この理屈は問題2でも同じかもしれません。
期待値8億に加えて、100%の確率で人生が変わる
期待値8.5億に加えて、85%の確率で人生が変わる。ただし15%の確率で人生はそのまま。
.
とりあえずⒸを選んでおけば、100%の確率で最上位目的の「幸福度」の濃度が著しく高まる。
つまりは人生の1つのゴールが達成することが確定してるわけです。
しかしⒹを選んでしまうと、その人生の1つのゴールが達成されない可能性が15%存在する。
だからⒹを選ぶのは割に合わない。Ⓒを選ぶほうが良いと。
まあでも、問題4の「95%で+1000万、5%で資金ゼロに」って普通に考えて美味しすぎですよね。
これを参加しないと、しばらく経って後悔しそうですよね。
後悔しない選択をするためには、あえて「参加する」という選択をとったほうが良いのかも。
まあでも5%の資金ゼロを引いた場合は、「資金状況的に参加すべきではなかった」と後悔するんでしょうねw
う~ん。難しい。
では、ここらへんで。
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→https://note.mu/district9
[…] 重大な局面の選択というのは期待値だけで決めてはいけない、という話 […]